商船三井ケニア社
2026年9月10日

ワールドカップが教えてくれた「まだ知らないアフリカ」―カーボベルデに魅了されて―

西アフリカ沖に位置するカーボベルデの場所、国旗、風景、2026年ワールドカップでの活躍を紹介するイメージ。
小さな国の大きな挑戦

     2026年のFIFAワールドカップで、私はある国の名前を何度も目にすることになりました。その国の名はカーボベルデ(Cabo Verde)。
サッカー好きの方でなければ、それまで聞いたことがなかったかもしれません。しかし今、この小さな島国は世界中のサッカーファンから注目を集めています。なぜなら、ワールドカップ初出場ながら、優勝スペインと予選リーグで0-0で引き分け、決勝トーナメントではメッシ擁するアルゼンチン(ワールドカップ準優勝)相手に2得点を奪いながらも2-3で惜敗し、大会屈指のサプライズチームとなったからです。人口わずか約60万人の小国が、欧州王者スペインや南米王者アルゼンチンを相手に堂々と戦う姿は、多くの人々に強い印象を残しました。

カーボベルデの国旗や代表ユニフォームを身に着け、サッカーを応援しながら盛り上がるサポーターたち。

私はアフリカで仕事をしていますが、恥ずかしながらカーボベルデについて全く知りませんでした。今回をきっかけに調べてみると、実に興味深い国でした。

カーボベルデはどこにある?

カーボベルデは、西アフリカのセネガル沖約500~600kmの大西洋上に浮かぶ島国です。地図で見ると、アフリカ大陸からかなり離れた場所に位置しており、10の火山島から構成されています。 国土面積は約4,033平方キロメートル。
日本で例えるなら、

  • 沖縄本島(約1,200㎢)の約3倍
  • 滋賀県(約4,000㎢)とほぼ同じ
  • くらいの大きさです。

「アフリカの国」と聞くと広大な大陸国家を想像しがちですが、このような島国も存在するのがアフリカの面白さです。

なぜ「カーボベルデ」という名前なのか

"Cabo Verde"はポルトガル語で「緑の岬(Green Cape)」という意味です。もともとはアフリカ大陸側のセネガルにある「Cap-Vert(緑の岬)」から名付けられました。英語では長らく"Cape Verde"と呼ばれていましたが、現在は国際的にも正式名称の"Cabo Verde"が使われています。

カーボベルデの歴史

現在のカーボベルデは、もともと無人島でした。15世紀にポルトガル人が到達し、西アフリカとヨーロッパを結ぶ交易拠点となります。その後、大西洋奴隷貿易の重要な中継地として発展しました。長らくポルトガルの植民地でしたが、1975年7月5日に独立しました。現在はアフリカでも比較的安定した民主主義国家として知られています。

国旗が語る「大西洋の国」

カーボベルデの国旗は、アフリカ諸国でよく見られる赤・黄・緑の組み合わせではなく、青を基調としています。
青い背景は大西洋を表し、円形に並ぶ10個の星は10の島々を意味しています。
まさに「アフリカの島国」を象徴するデザインです。

大西洋を望むカーボベルデのビーチで過ごす人々と、背景に見える灯台。
文化と言語

公用語はポルトガル語ですが、日常的には「クリオール語(Kriolu)」が広く話されています。これはポルトガル語と西アフリカの言語が混ざり合って生まれた独特の言語です。
人々のルーツも非常に興味深く、ポルトガル系と西アフリカ系の歴史が融合した文化を持っています。音楽も有名で、「モルナ(Morna)」と呼ばれる哀愁を帯びた音楽は世界的にも知られています。アフリカにいながら、どこかヨーロッパやカリブ海の雰囲気も感じられる。そんな独特の魅力を持つ国です。
「SAIKO DAYO(最高だよ!)」という歌がある!? - 調べていて思わず笑ってしまったのですが、カーボベルデには日本語の「最高だよ!」のフレーズがたくさん入った素敵な曲が存在します。以下のYouTubeのサイトから聴けますので、ぜひ聴いてみてください♪
実は「Saiko Dayo」は、日本語の「最高だよ!」そのものが由来です。1960年代、日本のマグロ漁船がカーボベルデに寄港していた頃、日本人漁師が口にしていた「最高だよ!」という言葉が現地の人々の印象に残り、やがてカーボベルデを代表する歌の一つとして受け継がれるようになりました。半世紀以上たった今でも、日本語がそのまま歌のタイトルとして生き続けています。

カーボベルデの住宅街で、色鮮やかな壁画のそばでサッカーをする子どもたち。
Aアフリカにはまだ知らない国がたくさんある

私は仕事の関係でアフリカ各国を訪問する機会がありますが、今回あらためて感じたのは、「アフリカにはまだまだ知られていない魅力的な国が数多く存在する」ということです。
アフリカは54か国から構成されています。ケニア、南アフリカ、エジプト、ナイジェリア、モロッコのような有名国だけではありません。人口60万人ほどの小さな島国がワールドカップで世界を驚かせることもあります。そして、その国には独自の歴史、文化、言語、人々の暮らしがあります。
今回のワールドカップを通じて、多くの人がカーボベルデという国を初めて知ったのではないでしょうか。私自身もその一人です。
アフリカを知れば知るほど、新たな発見があります。
まだ訪れたことのない国も数多くあります。
アフリカへの興味は、尽きることがありません。


References | Notes


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