商船三井トルコ社
2026年6月17日

アフリカ工業化指数2025:モロッコが首位に、加速するアフリカの産業発展

アフリカ工業化指数(AII)2025を紹介する日本語のインフォグラフィック。モロッコの首位獲得を中心に、都市、港湾、工場、物流インフラで構成されたアフリカ大陸のイメージとともに、工業化の指標、課題、成長機会を示している。

     アフリカでは、資源の未加工輸出からの脱却や雇用創出を目指して、工業化が推進されている。

アフリカ開発銀行は、2010~2024年におけるアフリカ54カ国の工業化の進展を評価したアフリカ工業化指数(AII)2025を発表した。

総合順位では、モロッコが、2010年以降一貫して首位だった南アフリカ共和国を初めて上回った。背景には、継続的な産業高度化、輸出多角化、戦略的な産業政策の成果があるとした。一方、南アは依然としてアフリカ有数の工業国であるものの、工業競争力の低下が指摘された。

AIIは、工業化を次の3つの軸において評価している。

  • パフォーマンス (主な指標:製造業付加価値や輸出額など)
  • 直接要因 (主な指標:対内直接投資残高、就学期間、インフラ開発指数など)
  • 間接要因 (主な指標:市場規模、ビジネス環境、債務残高など)
「AII 2025 国別スコア」と題された棒グラフ。アフリカ工業化指数(AII)2025に基づき、アフリカ54カ国の工業化水準を順位付けしている。モロッコが最も高いスコアで首位となり、南アフリカ、エジプト、チュニジアが続く。モーリシャス、アルジェリア、エスワティニ、セネガル、ナミビアなども上位に位置している。一方、サントメ・プリンシペ、南スーダン、ブルンジ、ギニアビサウなどは下位に位置する。アフリカ各国の工業化の進展状況を比較したもので、北アフリカ諸国が全体的に高い順位を占めていることが示されている。

地域別では、北アフリカが引き続き最も工業化が進み、南部アフリカが続く。東・西・中央アフリカでは緩やかな進展がみられるものの、北アフリカや南部アフリカとの間にはなお大きな差がある。

ただし、アフリカ開発銀行によると、アフリカが世界の製造業生産に占める割合は2%未満、世界の製造業輸出に占める割合は1.4%にとどまる。工業化を大陸規模で拡大しにくい背景には、域内生産連携の弱さ、中間財貿易の少なさ、産業エコシステムの分断があり、こうした課題は、アフリカ域内貿易の少なさ(全貿易の14.4%)にも表れているという。
今後の工業化加速には、各国の産業戦略に加え、アフリカ大陸自由貿易圏を通じた域内統合、域内バリューチェーンと産業回廊の開発、経済特区や工業団地の戦略的展開、インフラ・人材・イノベーションへの投資などが重要だと指摘している。

アフリカの魅力である若い労働力と将来的な巨大消費市場、豊富な天然資源、それらをインフラ整備や教育により工業化を進め、アフリカ内外の貿易を拡大することができれば、より高い経済成長が約束されるであろう。


References | Notes


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