商船三井ケニア社
2026年1月14日

日本企業で働くケニア人社員たちのリアルな声

日本で働き始めて約5か月

日本で働き始めてから約5か月が経過した今、日本企業の山口産業株式会社とはつかぜ株式会社で働く3人のケニア人社員たちは、自身の経験を振り返りながら、日本での仕事や生活について率直な思いを語ってくれました。期待と現実のギャップ、個人としての成長、文化的な違い、そして日本で迎えた年末年始まで――彼らの視点から見た「日本で働く」という経験を紹介します。

日本での仕事経験について話すオンライン通話のスクリーンショット。4人のケニア人参加者が画面に映り、笑顔で会話しており、ぬいぐるみを持っている参加者もいる。
1. 期待と現実のギャップ

来日前、彼らはそれぞれ日本の職場に対して異なるイメージを抱いていました。

バラカさんは、日本で働くことは孤独な経験になるのではないかと考えていました。しかし実際には、同僚から頻繁に交流の場へ誘われるなど、想像とはまったく異なる日々を過ごしています。オンラインでよく見られる「冷たい社会」というイメージとは大きく異なり、同僚の温かさと親しみやすさは、これまでの思い込みを大きく覆すものでした。

ルワテさんは、西洋的な視点から、日本は長時間労働で休みも少ない厳しい職場環境だと思っていました。しかし現実は想像とは大きく異なり、非常に前向きで働きやすい環境だったそうです。日本には確かにステレオタイプな一面もありますが、それ以上に実際の体験は良いものだと話しています。

一方、アオコさんは、以前日本で暮らした経験があり、アルバイトなどの仕事もしていたため、特に強い不安を抱いていたわけではありませんでした。ただ、伝統的な日本企業で働くことについては、正直なところ想像がつかなかったそうです。実際に働いてみると、その経験はとても良いものとなり、これまでの職場よりも、今の環境の方が居心地が良く、働きやすいと感じているとのことです。

2. 個人としての成長

日本で働くことは、彼らに大きな成長をもたらしました。

バラカさんとルワテさんは共に、「日本の職場環境は、生き残るために自分自身を変えることを求められる」と語っています。自分の担当外の仕事であっても挑戦してみることで、成長につながると実感しているそうです。

バラカさんは特に、自信が大きく向上したと話しています。実績のある人々と同じ空間で働くことで、自分の殻を破り、積極的にコミュニケーションを取れるようになったそうです。また、上司や同僚からプロジェクトを任されることで、責任感と「やり遂げる」という強い意志が芽生えたと語っています。

ルワテさんは、自分自身が「完全に変わった」と感じています。仕事への向き合い方、自信、考え方すべてが成長し、優れた人材と出会うことで思考力や視野が大きく広がったそうです。日本で働く道を選んだことを心から良かったと感じています。

アオコさんは大きな変化は感じていないものの、より真剣に仕事へ向き合う姿勢が身についたと話しています。特に、日本の歴史ある企業の文化の中で働くことで、仕事に対する意識が一層高まったそうです。

3. 身についたスキルと習慣

日本での勤務を通じて、さまざまなスキルが身につきました。

バラカさんは、相手を尊重しながらも自分の意見をはっきり伝える「丁寧な自己主張」を学びました。また、日本人の心理を理解し、円滑に人間関係を築く力も身につけたそうです。

ルワテさんは特にプロジェクトマネジメント能力が向上しました。複数のプロジェクトを管理し、期限内に成果を出す力に加え、人間関係のマネジメント、コミュニケーション力、プレゼンテーション力も成長したそうです。もともと内向的だった性格も、顧客対応を重ねる中で社交的に変化したと話しています。

アオコさんは、この仕事を通して主体的に行動し、リーダーシップを発揮することを学びました。新しい事業であるため、より積極的な姿勢が求められる環境でしたが、そうした実践的な取り組みが功を奏し、行動を通して自分の価値を示すことができたと感じています。

4. 仕事への誇りと貢献意識
バラカさんは、アフリカ諸国への出張を通して、英語を話せることの価値を強く実感しました。国際企業の中で、会社を代表する存在として信頼されていることに誇りを感じているそうです。

ルワテさんは、アメリカ・ラスベガスへの出張を成功させた経験を誇りに思っています。ITエンジニアとして専門性を認められ、顧客から信頼を得られたことが大きな自信につながったそうです。

アオコさんは、日本の地方で働くケニア人女性であること自体に誇りを持っています。調査、コミュニケーション、ネットワーキングを通じて会社に価値を提供できていると感じているそうです。

5. 職場での文化的な課題

最も大きな課題として共通して挙げられたのが、「フィードバックの少なさ」でした。

仕事の成果に対して、良くても悪くても直接的な評価を受けることが少なく、また指示も「提案」という形で伝えられることが多いそうです。しかしその提案は、実際には「やるべきこと」である場合がほとんどだと話しています。

また、日本では直接的な対立を避ける文化があり、その結果としていつの間にか話が進んでいることもあるそうです。率直なコミュニケーションを重視するケニアの文化とは異なり、適応するまでに時間がかかったと語っています。しかし、その率直さも行き過ぎると同様に弊害を生むことがあり、バランスを取ることが重要です。このようなコミュニケーションスタイルに適応するには、忍耐力や感情の強さ、そして学ぶ姿勢が求められます。

6. 課題の乗り越え方

こうした課題を乗り越えるために、彼らが大切にしたのは「考え方を変えること」でした。

個人の特徴としては受け取らず、日本の文化的特徴として理解することで、ストレスを減らすことができたそうです。多くの場合、悪意ではなく、直接的な表現を避ける文化によるものだと捉えるようになったと話しています。

7. これから日本で働きたいケニア人へ、そして日本企業へ

ケニア人へのメッセージ
日本には「楽しむため」だけで来るのではなく、明確な目的を持って来るべきだと語っています。日本を愛する気持ちと同時に、自制心も重要だそうです。文化を理解し、最初は不便さや違いを受け入れる覚悟が必要だと話しています。

また、日本で働くことはケニアを代表する存在になることでもあります。価値を提供し、国の誇りとなる行動が求められるそうです。

日本企業へのメッセージ
ケニア人をもっと採用してほしいと訴えています。ケニア人は多才で適応力が高く、「平均的なケニア人」は存在しないそうです。文化を学ぶ姿勢があり、どんな環境でも成果を出す力があります。意義のある仕事を与えられたときに、最も力を発揮すると語っています。ルールにある程度の柔軟性を持ち、刺激的な職場環境を作ることも重要だと提言しています。

8. 日本で過ごしたクリスマスとお正月

バラカさんとアオコさんは、会社の幹部に招かれ、クリスマスに豪華なディナーを共にしました。初めて目にする料理もたくさんあり、特別な体験だったそうです。バラカさんは年越しそばを食べ、初詣にも参加しました。

アオコさんはお正月を静かに過ごし、新年の計画を立てながら、日本国内をもっと旅行することを楽しみにしているそうです。

ルワテさんは年末まで仕事があり、27日に仕事納めを迎えました。大晦日は外国人の仲間たちと街に出かけ、凍える寒さの中で川に飛び込む人々を見て驚きながら新年を迎えました。その後は友人たちと合流し、夜の祝賀を楽しみました。

3人は口を揃えてこう語っています。
「日本は、発見に満ちた国です!」

山口産業株式会社リンク:https://www.yamasan-grp.co.jp

Hatsukaze company link: https://www.hatsukaze.co.jp


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